ネット・ゲーム依存症向けオンライングループ:FiSH(Field of Sharing Hearts)

ネット・ゲーム依存で難しさを抱える方を対象としたオンライングループFiSHの公式ブログです。ネット・ゲーム依存症の当事者や家族の方に向けて、オンラインイベントや依存症についての情報を発信していきます!

6月6日ミーティングレポート

こんにちは、ベニエです。つい最近、梅雨入りのニュースを見たかと思えば、真夏日のような天気が続き…季節の変わり目なのかなとは思いますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?どうか無理をしすぎず、お過ごしください。

 

今日は、6月6日に行われたFiSHのミーティングレポートを公開します。実は昨日、執筆を8割程終わらせていたのですが、パソコンのデータ保存の不具合?で、ファイルが真っ白になっていました。機械に強くなりたい…。最後まで気を抜かずにレポートを仕上げられるのか、自分との闘いがスタートします。では早速、内容に入っていきたいと思います。

 

 

前回のミーティングでは、「雨(雨季)のいいところ」というトークテーマでアイスブレイクと自己紹介を行いました。雨の降り始める音、雨粒が屋根にあたる音、近所のアジサイの美しさ…。みなさんそれぞれ「好きなもの」をたくさんあげてくださり、一人ほっこりした気持ちになりながら自己紹介を聞いていました。私は「雨のいいところ」が咄嗟に思いつかなかったのですが、どんなことにも良いところを見つけられる、良いところに気づける姿勢を持ち続けたいな~。そんなことを感じた時間になりました。今回のトークテーマは、以下の4つです。

 

使い過ぎちゃうときってどんなとき?

もし自分の子どもがゲーム依存になったら。

ネットやゲームを止めるためにどんなことをやってみた?上手くいったこと。

どんな経過で回復していったの?

 

それでは順に、ミーティングでお話された内容を一部抜粋しながら、こちらで紹介していきたいと思います。

 

 

使い過ぎちゃうときってどんなとき?

一番多くあげられた意見は、「やらなければならないことがあるとき、またそれが多すぎるとき。」といった現実逃避や気晴らしが目的のものでした。「強いストレスや孤独を感じたとき、ちょっと疲れたとき。」といった自身の心身的な理由があった一方で、「新しいサービスの登場やアプリのアップデートなど、ゲームに新要素が加わったとき。」といったゲームが原因による理由もあげられました。他にも、「起床後、ゲームを始めてしまうとそのまま使い過ぎてしまう。」といったような時間帯や状況からの理由もありました。

 

自分がどんな時に使い過ぎてしまうのか、客観視することがコントロールをする一歩になるのかもしれません。とは言っても、それが非常に難しいことではあるのですが…

 

「ゲームをごりごりにやっていた時は、使い過ぎだとすら思ったことがなかった。」「今考えるとやり過ぎていたと感じるが、当時は時間をかけることが当たり前だった。」とお話された方もいらっしゃいました。今振り返ってみれば…といった気づきも多いのかもしれません。

 

もし自分の子どもがゲーム依存になったら。

私自身、まだ親ではないので想像上にはなるのですが、これは、とても難しいテーマだと感じました。適切な関わり方・対応の仕方を学んでもいても、「いざ家族が」と考えると、何を感じるのだろう。どんな関わり方を選ぶのだろう。みなさんのお話を、自身に自問自答を繰り返しながらじっくり聞かせていただきました。

 

「自分の性格的に、何かしら自分の働きかけに原因があったのではないかと、まずは自分を責めてしまうと思う。」「率直に言って、すごく嫌だと感じた。自分ですら解決のできていない問題なのに、子どもが、となると唖然としてしまうと思う。」といった赤裸々な感想があげられました。

ある当事者の方のお話が興味深かったので、紹介します。「自分は、親から良い影響を受けて回復してきたという経緯があるので、親子関係・家族関係は崩したくないと思う。親から静観されていた時期が長く、過敏に僕に関わってこない時期があった。その一方で、家族との外出や食事の時間を大切にしてくれたので、社会との繋がりは絶っていても、家族とは繋がれていた。家族内での対立はしたくないなと。依存になった時期が若いほど親の協力は必要だと思うので、ある程度のラインまで回復してきたときに、家族の協力がスムーズにいければよいなと思う。」自身の経験から、家族のあり方、関わり方についてお話して下さりました。

 

具体的な対応・関わり方について多くの意見があげられたので、まとめて紹介させていただきます。

・子ども自身が、ゲームを辞められずやばいと思っているのなら一緒に病院に行き、思っていないなら自分だけが病院に行く。間違った関わり方をしないように、医者に相談をする。

・放置はしないが、必死になりすぎずほどほどに関わり、サポートの立場にまわる。

・コミュニケーションを大切にしつつ、たまに外に連れ出すなど少しずつアプローチをしていく。

・ゲーム依存の悩みをいつでも聞いてあげられる関係でいる。

・コミュニケーションの手段として、子どもと同じレベルまでやりこんで、一緒にゲームをする。

 

多くの意見があげられましたが、元当事者の方も含め「難しいとは思うが、〇〇したいと思う。」とみなさん口を揃えて言われていました。きっと、関わり方に正解はないのですが、良好な親子関係・家族関係の構築はとても大切なのだろう、と改めて感じました。

 

ネットやゲームを止めるためにどんなことをやってみた?上手くいったこと。

正解はない、という前提の上で、自身の体験談をみなさんとシェアしました。最も多くあげられた内容としては、「人との繋がりの大切さ」です。自分ががっつり依存していることを人に話せるようになり、少しずつ本音で人と関われるようになるにつれて社会性を取り戻していった、リアルで人と会うことで元気になった、ゲームにハマりすぎているという悩みを家族に打ち明け、協力してもらえたことで回復へと進んだ、といった、「人との繋がり」がきっかけで良い方向へ進んでいった、と言われている方が多くいらっしゃいました。視界にスマホを置かない、ゲームを部屋に置かない、といった直接的な手段以上に、人との繋がりや悩みを話せる場が存在していることが、重要な要素なのかもしれません。

他にも、ネットにハマり過ぎている自分にうんざりし、今はSNSから離れられているという方や、動画サイトだと、自分に興味のある内容が広告としてたくさん表示されてしまうため、「おすすめに表示しない。」をおして物理的な刺激を減らす、と言われた方もいらっしゃいました。お読みくださる方々にとって、何か一つでもためになる情報があれば幸いです。

 

どんな経過で回復していったの?

最後のテーマでは、ネット・ゲーム依存からどのような経過を辿り回復に向かっているのか、という内容について当事者の方からお話をいただきました。一部をシェアさせていただきます

 

Aさん:高校入学から卒業、浪人1年目までが依存の一番のピークだった。浪人生になっても最初は勉強が捗らなかったが、時間が経つにつれて段々と焦りがでてきて、ゲームやネット使用時にも焦りが抜けないようになった。おかげでゲームの時間は少しずつ減らせるようになったが、浪人2年目で限界を感じ、進路を変更し専門学校へ入学。学校や卒業後のアルバイトが忙しかったおかげでゲームの時間が激減し、いつしか自分で制御できるようになっていった。今では大学に通い、ゲームを全くやらない生活が続けられている。そうは言っても完全に絶てたとは思っていないので、今後も上手な付き合い方を見つけていきたいと思う。

Bさん:中学の頃はゲームが好きだったが、それ以降はゲームをすることはなかった。しかし昨年ゲーム機を購入したことと体調を崩し仕事を休んでいたことをきっかけに、再度ゲームにハマるようになった。朝起きると嫌な記憶が想起されてしまうので、ゲームをして考えないようにする。そうなると1日中ゲームをしてしまう。それまでは食べることが現実逃避の手段だったが、それを上回る快楽がゲームになった。そこから生活でも問題が生じるようになった。幸いだったのは、家族含め、周囲の人が自分を責めないでいてくれたこと。今は、ゲームを1日1時間にコントロールをすることを目標に頑張っている。

 

 

以上が、今回のミーティング内容を一部抜粋したものとなります。当事者の方はもちろん、様々な年齢や立場の方が同じテーマで考え、深め合う時間は、とても貴重な時間だと毎回感じております。ミーティング後にいただくご感想の中で、普段はなかなか話しづらい悩みを話せる場になっている、とおっしゃって下さる方も多く、大変励みになります。どんな方にも何か一つでも得られるものがあれば良いなという思いで、運営を行っております。はじめましての方も、ぜひご参加いただけますと幸いです。

 

次回のミーティングは7月4日(日)16:00~18:00です。お申込みはこちらから! 最後までお読みいただきありがとうございました。

FiSHオンラインミーティング 参加申し込みフォーム (google.com)

 

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