1月9日 ミーティングレポート
こんにちは、ピーチです。
少しずつ春めいてきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
年度の切り替わりで忙しくお過ごしの方もいらっしゃるかと思いますが、ご体調に気を付けてお過ごしくださいね!
さて、長らくブログの更新が遅くなってしまい、すみません!
時系列が前後してしまっておりますが、1月9日のレポートをアップします。
この回のトークテーマは、以下になります。
- ネットやゲームに依存した理由
- 実際に具体的に何に困っているのか、何が最もつらいか
- どのように依存から抜け出せるか、どんな支援があるといいのか
- どんな支援があったらよいのか、よかったのか
今回も非常に濃いテーマが多く、ぜひみなさまに参考になる部分があれば幸いです。
- ネットやゲームに依存した理由
各個人で具体的な理由は様々ありましたが、ハマった結果、あるいはハマることに伴って人間関係が希薄になっていった、ということは多くの人で共通して見られるように感じました。
リアルの人間関係が希薄になったことで、よりのめりこむようになり、昼夜逆転が起こり、またさらに日常生活から遠ざかり、、、
という循環が起こるのは、これまでのミーティングでもなんとなく話に上がっている部分でしたが、今回のミーティングで改めて浮き彫りになったかと思います。
- 実際に具体的に何に困っているのか、何がもっとも辛いか
このテーマに関しては、依存中の様相とともに個人間で違いがみられていました。
身体的な不調であったり、季節や曜日といった「感覚」がなくなる、学力の低下などを挙げていた方もいらっしゃいましたし、
それがよりエスカレートしていく中で、通学する、通勤するといった「普通の生活」から離れていくということを挙げている方もいらっしゃいました。
また、精神的にも何もやる気が起きない、といったことも多くの人から挙がっていました。
加えて、普通の生活が送れなくなってしまったことで、人との繋がりが絶たれてしまったことを挙げている方もいらっしゃいました。今でも過去の思い出の話になると、自分はあまり思い出せず、共感できないのが辛い、寂しいと思う気持ちを吐露されていました。
また、FiSHでは当事者のご家族の方もご参加されることがありますが、このテーマに関して親の目線から、「他の子が今の時期に経験していることを経験できていないのが辛い」という思いも挙がっていました。しかしその辛さの一方で、「また立ち上がってくれると思うので、他の子と比べるのではなく今は受け止めることも重要かと思う」と発言されていたのが非常に印象的でした。
- どんな風にしたら依存から抜け出せるか、どんな支援があるといいのか
こちらも様々な意見が挙がっていましたが、どれも非常に参考になるなと感じました。
依存に至るまでの防壁となる部分を強化するのか、それとも依存を加速させる要因を減らしていくのか、考え方は様々あるかと思いますが、ぜひ参考にしていただければと思います。以下、箇条書きで出ていた意見をご紹介します。
・自分を良く見せるために隠すことがあるが、それが続くとなかなか周りに言い出しづらい、相談しづらくなり、不安をかき消すためにさらにのめりこんでしまうことがある。回復の軌道にのるためには、自分から相談できる環境があることが大事。
・ゲーム以外に熱中できるものを探すことが大事だと思い、外に出るようにしていた。まずは離れてみることが大事な気がする。すぐにやめることは難しくても、他のことを始めてみるのはきっかけになるかもしれない。
・依存の原因、現実逃避する理由にアプローチする必要がある。自分の場合は人付き合いが苦手だったり、学校で色々傷ついた経験などがあったが、自分のせいだと思い、親にも相談していなかった。「病気である」という認識を持つことが重要。その人個人のせいだという考えや、一人でどうにかしなければいけない、というようなとらえ方では抜け出すことは難しい。
- どんな支援があったらよいか、よかったか
相談先であったり頼れる大人がいてほしかった、という意見だけでなく、
周りも一緒に病気や障害についての知識をもって、回復に向けて自分と一緒に親も動いて欲しかった、という意見もありました。
ここまでが、ミーティングの内容のまとめになります。
非常に根本に迫る問いが多く、負荷も大きかったかもしれないですが、赤裸々にみなさんに語っていただいた分、そこから学ぶことのできるものも多いように感じました。
私個人の視点で言うと、
まず、病気である、ということに自分・周囲が気づくことのハードルの高さを改めて感じました。今でこそ「ネット依存」「ゲーム依存」「ゲーム障害」という言葉が浸透してきたものの、まだ俗語のようなとらえ方がされている部分もありますし、具体的にどんな状況、状態を定義するかについての理解も曖昧な部分があるかと思います。依存だけに限らず、他の精神疾患に関しても「怠惰」で片づけられることも少なくないかと思います。
ひとりひとりが、他者の置かれている状況に対して想像力を働かせ、受け入れることが肝要だと感じていますが、
それだけではなく、公教育などを活用して子ども・親でも依存しているという状況を適切に受け止め、適切な対処、対応を学ぶ機会があることの重要性を痛感しました。
なかなかすぐに実行できることではないかもしれませんが、「病気」と断定せずとも何かに依存してしまうということの背景にどんな要因が考えられるか、といったようなことを学ぶ機会があるだけでも変わってくるのではないかと思っています。
FiSHとして現在そういった活動を行うことは難しいですが、今できることとしてはやはり今の活動を地道に継続していき、少しでも状況についていろんな方に知っていただく、ということになるかと思います。
引き続き当事者の方のためになれるよう、また当事者をとりまく社会が少しでも良くなるよう、できることを続けていきたいと思います。
次回は、4月3日(日)16:00-18:00になります。
参加ご希望の方は以下のリンクからお申込みお待ちしております。