ネット・ゲーム依存症向けオンライングループ:FiSH(Field of Sharing Hearts)

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9月19日ミーティングレポート

こんにちは、ピーチです。

本日は9月19日のミーティングの様子を紹介します!

 

 

この回は、依存の要因について、「ゲーム・ネット」「個人」「環境」の3つの観点から考えていく、という我々としては少し新しい試みを行いました。

もしどういった形で自分を振り返ればいいのかわからない、という方がいらっしゃったらぜひ参考にしていただければ幸いです。

 

 

本題に入る前に、ウォーミングアップがてら、ゲームで楽しかった思い出や、今ゲームをしていて楽しい部分を出し合いました。

 

これまでで楽しかった思い出として、やはりゲームを通して交流が生まれたことが挙げられていました。

特に、自分が今まで他者と分かち合うことができていなかった趣味に関して、初めて分かち合えるひとができて嬉しかった、ということや、

もともと人との交流が得意な方ではなく、人との交流を欲しているという自覚はなかったけれども、いざゲームを通して交流してみると楽しかった、というこれまでの経験が挙がっていました。

 

依存の背景にはそういう孤独な環境も影響していて、上手く扱うことができれば、ゲーム自体は健康上必要と考えられる交流を生む上で非常に大事なツールだと思う、といった発言も印象的でした。

 

 

ウォーミングアップを終え、依存の要因について分析に入りました。いつもは、あまり重く、シリアスな雰囲気になりすぎず気軽に話せるようにふんわりと進めていくのですが、今回は少し趣向を変えてみました。参加者の方にとっては少し重たい気持ちになるものであったかもしれないのですが、的確に分析する機会となっていれば幸いです。

 

・まず、<ネット・ゲーム>における要因です。

やはり競争性や数値が明確にでるということが挙がりました。データの分析や様々なリサーチを通して自分の戦闘傾向を考えて戦略を立て、腕を磨いていき、周りから賞賛されるということを通して承認欲求が満たされていた、とのことでした。

また、数値やデータを見ることで、そもそもなにをすれば目的が達成できるのかを把握しやすい、というのも要因として挙げられていました。元々の特性として、計画を立てることが得意ではなく、もし勉強などゲーム以外のことで、そういった目的達成までの道筋を一緒に立ててくれるひとがいれば、ゲームではなくそっちにハマっていたかもしれない、という気づきも挙がっていました。

 

これらの部分は、読んでいる方の中でも共感される方は多いのではないでしょうか。小さい頃って特に周りと比べたり、比べられたりして、なにかにおいて認められたいという気持ちは大きい気がします。もちろん大人になっても絶えずつきまとうものではあるのですが、小さい時だと、ちょっとした良さにどうしても気づくことが難しいんじゃないかと感じます。

 

また、上記以外だと、スマホゲーム自体の手軽さであったり、没入感の高さ、やり込もうと思えばいくらでもやり込むことができてやめどきがない、といった部分もゲーム自体の依存しやすい側面として指摘されていました。

 

 

・次に<個人>における要因です。

まず、自分に自信がないけれど、負けず嫌いな性格であるために、なにをしたらいいかがはっきり分かって、理想に合わせて自分を成長させられるゲームにのめりこんだ、という発言がありました。

また、現実の人間関係の中では、あまり悩みを話せなかった、ということも挙がっていました。ネットの中の方が、自分の素を話すことができて、気楽に感じられ、またそのサイクルでどんどん自分の中に閉じこもり、ネットの世界に引き寄せられていったということも多く挙がっていました。勉強だったり、社会で交流することは難しく、そういったところでの答えがない現実世界よりも、ゲームが面白いというバランスになっていったとの声が多かったです。

 

加えて、そういったゲーム内での交流も含めハマっていったと自身を振り返りつつも、今では人との直接の交流がゲームをすることとはまた異なる側面での充実感、満足感があるのではないかと思い始めている、という方もいました。

 

他には、友達と話す話題がゲームしかなく、友達と話したいと思ってやっている部分があったという意見もありました。

 

 

・最後に<環境>における要因です。

やはり人間関係についての発言が多く挙がりました。家族の関係が良くなかったことで、それ以外の関係性で悩みがあった時にそれを相談できず、のめりこむ引き金となったというようなことが多いように感じました。これは、少し個人の要因とも関係する部分ですね。

 

例えば、

海外に留学した時に周りとのコミュニケーションがうまくいかなかった環境が直接の引き金となり、ゲームをしているときの方が、コミュニケーションが楽だと感じるようになった、

そのことで外で自分はうまく話せないのではないかと思うようになり、外に出なくなった、

さらに母親との関係があまりよくなく、基本的に家族に話さず、相談できる人は一人もおらず、かといってネットの中の人も自分はそこまで信頼してなかった、というような体験が挙がっていました。

 

また、両親があまり仲良くなかったこともあり、自分が困った時に誰かに話す、という発想がなかったことや、

家族には相談しても信頼できない経験があり、それがストレスになってゲームに走ったということが挙げられていました。

身近なところでの相談経験が難しいというのはかなり大きな引き金となっている可能性があることを改めて感じました。

 

また、依存の期間が長い人では、元々付き合いがある人がそもそも不登校になってゲームにハマったという自分と似たような人たちだったので、それがあたりまえの人間関係になり、ゲームの楽しい話はするが、シリアスな話はできず、ゲームの話をどんどんしていくうちに余計にそっちに流れてしまった、といった発言がありました。

 

一方で、ゲーム依存ということがわかってからは、同じように悩んでいる人がいることや相談できる場があることに気づき、周りにも少しずつ頼れるようになって社会に戻ることができるようになってきた気がするし、やっぱり話ができる場所が大事だなという実感も共有されていました。

 

 

3つの観点で考えてみて改めてどのように感じたかに関しては、

回復し始めたというタイミングは、いろんな要因の中から自分が変えるべき部分がわかってきたときで、

最終的にやはり大事なのは自分がどうありたいのか、というところである気がする、という発言が非常に印象的でした。

 

また全体を通しての感想としては、

いろんなひとのバックグラウンドをきけてよかった。具体的に考えてみることも難しいけれど大事だなと思った、という声が多かったです。

 

 

以上が9月19日のイベントレポートになります!

少しカウンセリングでやるような内容になってしまって、向き合うことで苦しさもあったと思いますが、そのぶん何か今後につながるきっかけを少しでも見つけていただけていれば嬉しいなと思っています。

自分を振り返ることの目的は、もちろん今までの自分の中で改善できそうなことを客観的に洗い出すということもありますが、私たちがそういった場を提供することで何より大事にしたいのは同じ辛さを抱えている人たちと少しでも悩みを共有しあえるようになり、一人じゃないと感じてもらうことです。

 

今回のテーマに限らず、自分について考え、それを発信するのは決して簡単なことではありませんし、億劫に感じられている方もたくさんいると思います。でもだれも発言を責めたり批判したりすることはもちろんありませんし、発言せず話を聞くだけでも今まで自分だけでは見えていなかったことが色々と見えてくるのではないかと思っています。

 

ぜひ今後も様々な方にとって心安らぐ場であれるように、引き続き頑張っていきたいと思います。

 

次回は10月17日の16:00-18:00です!
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