ネット・ゲーム依存症向けオンライングループ:FiSH(Field of Sharing Hearts)

ネット・ゲーム依存で難しさを抱える方を対象としたオンライングループFiSHの公式ブログです。ネット・ゲーム依存症の当事者や家族の方に向けて、オンラインイベントや依存症についての情報を発信していきます!

5年前の自分へ 〜ピーチ編〜

ブログの更新が最近滞りがちということで、朝起きてさっとパソコンに向かって書いておりますピーチです。


前回のうずぽんの記事が良すぎて、というかみんないい記事書きすぎてちょっと億劫になっているのは内緒です。笑

 

 

さて、わたしの5年前はちょうど自分が初めてネット依存の当事者が集まるキャンプに参加した年です。

ということで、半分くらい自分が今なぜここにいるのか、ということの話になるのですが、書いていきたいと思います。


わたしは当初「依存」と聞くと、自分とは全然かけ離れた存在だと思っていました。でも同時に「ネット依存」というと、「あれ、自分も使いすぎちゃうし、もしかしたらネット依存なのでは?」と思う部分もありました。

 

そんな中で、何もわからず参加したキャンプでした。

 

結論から言うと、いまだに自分の人生の中でも1番のターニングポイントになっています。

今思い出しても泣きそうになります。

 

 

色々な気づきがあったのですが、やっぱり大きかったこととしては、

1. みんなものすごく日常生活の中での苦しみを抱えている中で、依存せざるを得ない状況にあったこと

2. 病気と診断されていても、人との繋がりによって緩和される可能性があること


の2つでした。



1に関して。

すでにご理解ある方も多いと思いますが、多くの子達が何らかのトラウマ体験を持っています。もちろんゲームが好き、という子も多いですが、いろんなことが積み重なった苦しみの中に生きている子がたくさんいました。

 

2に関して。

初日は完全に心を閉ざしきって、もう誰も信用できない、と思っていた子達がほとんど出会った中で、最終日はみんな涙涙でした。

短い期間でも、誰かが寄り添っていることを感じられるだけで、人ってこんなにも明るくなれるんだ、ということを強く実感しました。
もちろんそれは病気からの回復とはまた別の話であり、キャンプという非日常の中から急に現実に戻るとそのギャップに苦しみ逆に悪化してしまうこともあります。でも子どもたちの中で、少しでも、思い出、優しさ、楽しさの貯蓄になっていたら嬉しいなと思っています。
そして、言わずもがなですが、キャンプには、助けてあげたいという気持ちで参加しているのではなく、自分もたくさんのものを得られているので、純粋に楽しもう、精一杯いろんな話をしあおう!という気持ちでいつも望んでいます。

 

 

そしてわたしもキャンプマジックにかかりました。

帰ってからは抜け殻のようになり1、2週間ほど何もあまり手がつかない状況でした。

キャンプでは何か自分が達成できた感覚があったものの、日常に戻るとその感覚は無くなっており、なぜ今自分はこんなところにいるんだろう、と悶々とする日々でした。

 

自分としては、参加させてもらう些細なきっかけがあったからこそ、上のようなすごく貴重な気づきを得ることができたので、恩返し、恩送りをしたくて、何か自分にできることはないかと必死に探していました。

 

 

そこからいろんなことに挑戦しては失敗してを繰り返していき、その中で様々なご縁に恵まれました。

 

オンラインカウンセリングを運営するものすごく小さな会社でお手伝いさせてもらいました。

この会社の人たちはわたしがとっても尊敬する人たちばかりで、手伝わせてもらえたこと、自分の中ですごく誇りに思っています。

 

就活に失敗しました。

精神的に落ち込んでいる人の助けになりたい、ということをド直球に伝えていました。志は素晴らしいと思うけど、ビジネスとして両立する観点も考えないと、と言われました。わたしはこの言葉をいつか覆します。

 

卒論のテーマをネット依存にしました。

教授の専門ではなかったことから、なかなかに苦戦しましたが、自分では筋はいいものを書けたと自負しています。それは原体験の中で感じたことをそのまま組み立てたからだと思っています。
そして、執筆にあたってインタビューをする中で、今活動している別のゲーム依存を考える会にも巡り合いました。

 

大学院に進学しました。

医療職の方々を中心に、いろんな出会いがありました。そしてある講義でネット依存を扱ったらそれ以来自分にはネット依存に熱い人、というイメージが形成されました。自分がどんな立場でネット依存というものに取り組みたいかを改めてじっくり考えるきっかけになりました。

 

そしてFiSHを立ち上げました。

コロナの状況というのが大きかったですが、いつかタイミングを見てずっとやりたかったことでした。年に数回のキャンプじゃ、状況に追いつかない。そして苦しんでいるのは子どもだけじゃない。誰でも、どこにいても、参加できる居場所をやっと立ち上げることができました。そして、これまで参加してきたキャンプの中で、みんなでこの問題にあたれば、何か変えることができるんじゃないか、そういう確信を得ることができました。参加者のみんなのおかげで今回の立ち上げに踏み切ることができました。

 

 

こんな形で、自分の全ての行動原理のもとに、キャンプがあります。
なんで自分がここまで躍起になっているのか、自分でもわからないです。でも多分、実際に苦しむ人と接して他人事ではないなと思ったからなのかなと思います。こんなご時世誰しも何かに頼りたくなる、そうなった時のためのセーフティネットのようなものに拡張していけたら少しでも世の中がよくなるんじゃないかなと想像しています。

 

 

5年前は、自分は何もできないやつだ、そんな風にずっと自分を責めていました。力になりたいと思う人はたくさんいるのに、何もできないちっぽけな存在だ、と途方に暮れていました。

でも5年後の今の自分からは、失敗を繰り返す中で、今ちゃんと一歩目を踏み出せているので、安心して焦らずいろんなことに挑戦してみたらいいと思う、全部いい経験になるから、と伝えたいですね。



長くなりましたが、最後に、いつもFiSHのオンラインミーティングに参加してくださる方、FiSHの活動を応援してくださる方、FiSHのメンバー、そして上記に書いたような様々な活動においてわたしを支えてくださった方にこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございます。

これからも自分なりの形で頑張っていく所存です。どうぞよろしくお願いします。